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【会認定】3⃣ 老犬神社(ろうけんじんじゃ)


詳細説明文
【会認定】老犬神社(ろうけんじんじゃ)
その昔、鹿角市大湯(旧南部領)に代々定六と名乗るマタギが居り、先祖の功によって領主から天下御免の狩猟免状(他の領内はもとより、寺社内でも猟が認められる書状)が与えられていました。定六には、シロという飼犬がいて、狩猟のよき協力者でした。
ある寒い冬のこと。定六とシロはカモシカを追って、鹿角境を越え三戸城の近くまでいきましたが、獲物を見失い落胆していました。愛犬シロに励まされ帰路につこうとした矢先、突然数人の男に取り囲まれました。男達は三戸領の役人で、領内で発砲した罪で定六を捕らえに来たのです。定六は天下御免の狩猟免状を見せようと懐中に手を入れようとした瞬間、不覚にもその日に限って、狩猟免状を忘れて来たことに気付きました。日頃無口であった定六が一心に事情を釈明したものの、聞き入れてはもらえず、定六は役人たちに強引に捕らえられ投獄されてしまいました。
捕らわれた定六は、免状を取ってくるようシロに繰返し語りました。するとシロはブルブルと大きく身震いし、暗闇の中に消えて行きました。
シロは家にたどり着くと、定六の妻に向かってせわしなく吠えましたが、彼女には何のことか判りませんでした。
再び定六の元へ戻ったシロに、定六は免状を取ってくるようその場所を何度も語りました。そしてシロは疲れた体を休めることなく、また十幾里の雪の山河を家へと駆け戻り、免状の置き場所である仏壇の下で激しく吠えました。ようやく定六の妻は免状のことと思い当たり、慌ててそれをシロの首に結び付けました。
しかし、シロが精魂を尽くして三度、定六の元へ駆け戻ったときには、すでに定六は処刑されており、亡骸が無惨に横たわっていました。

その夜以来、森の山頂からは幾夜幾日となくシロの悲しい咆哮が三戸の城下に響きました。やがて、この地方には天変地異がおこり、定六の処刑に関連した人々は無惨な死を遂げたといいます。
その後、所払いを受けた定六の妻とシロは秋田領十二所館に近い葛原に移りましたが、いつからかシロの姿が見えなくなり、ある日白骨化した死骸が近くの丘で発見されました。この後、武士が馬でこの丘を通りかかると突然馬が暴れだし、落馬して大けがをする、ということが幾度となく繰返されたため、村人は主を殺した武士に対するシロの怨念だと恐れ、供養しようと山腹に神社を建ててシロを祀りました。
そして地域の人々は永くこの悲話を伝え、今もシロへの愛情を守り続けています。
出典:大館市産業部観光課

【会認定】老犬神社(ろうけんじんじゃ)
【会認定】老犬神社(ろうけんじんじゃ)

老犬神社
http://www.city.odate.akita.jp/dcity/sitemanager.nsf/doc/rouken.html